日経225先物取引【応用編】

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スプレッド取引とは?

スプレッド取引とは2つの証券の「金利差」や「価格差(スプレッド)」を利用しておこなう裁定取引のことです。
2つの証券の価格差が一定水準以上に乖離した場合に、割高な限月を売り建てて、同時に割安な限月を買い建てたりして取引をおこないます。
この取引は市場の動向に関係なく利益を狙うことができます。両者の価格が上がっても下がっても、価格差が縮小すればその差額が利益になる仕組みで、反対にスプレッド(価格差)がさらに広がると損失になります。
思惑と逆方向に市場が動いた場合でも、リスクを軽減できることも特徴です。
これは日経225先物取引を行う上で、上級者になるために必ず覚えておきたい手法です。

スプレッド取引の種類

その価格差を利用した基本的なサヤ取りには大きく分けて2種類あります。
①「同じ種類の銘柄の異限月の価格差を利用するもの」=カレンダースプレッド取引
②「違う種類の銘柄の同限月の価格差を利用するもの」=インターマーケットスプレッド取引
例えば、①は日経225先物3月限を買い建て、日経225先物6月限を売り建てるといったもので、②は日経225先物3月限を買い建て、TOPIX先物3月限を売り建てるといった取引です。

取引例など、詳しくは次の章でどうぞ。

スプレッド取引の実践

スプレッド取引の取引例

例:
直近限月の6月限の価格 16,000円
9月限の価格 16,100円

この場合、直近限月の6月限を16,000円で買い建て、9月限を16,100円で売り建てます。
現在の限月の価格差(サヤ)は100円ですね。

そして6月限が16,050円になり9月限が16120円(価格差が70円)になったので、両方の建て玉を決済しました。

6月限の買い建て分 16,050-16,000=+50
9月限の売り建て分 16,100-16,120=▲20

合計損益 +30円
(サヤが100円から70円に縮小したので利益がでました)

上記のように、この取引において注目するのは「価格差のみ」です。
いくら両方の限月が急上昇(暴落)したところで、価格差が変わらないということは損益も変わらないからです。

上の例はカレンダースプレッド取引(日経平均先物の限月間の取引)の例ですが、インターマーケットスプレッド取引(日経平均先物とTopix先物などの違う種類での取引)についても考え方は同じです。

日経225先物でヘッジ

ヘッジとは?

まず、「ヘッジ」とは「リスク回避」という意味です。

リスクヘッジというのが正しい言い方ですが、業界ではヘッジとだけで表現しています。
私募により巨大な資金を集めた投資信託をヘッジファンドと言ったりしますが、彼らは買建て玉と売建て玉を巧みに組み合わせ、リスクヘッジをしながら利益を確定していく売買手法を取っていることからヘッジファンドと呼ばれるようになりました。

このような「ヘッジ」は先物の株価指数が個人でも簡単に利用できるようになったことで個人投資家の間でも利用されるようになりました。

ヘッジとしての日経225先物

例えば、現物株を持っており、目先相場全体が下げそうだなという時に日経225先物を売り建てて、リスク回避をします。
株式を売ってしまうことと基本的には何ら変わりませんが、少ない証拠金でリスクヘッジができるところが特徴です。
また、銘柄を多数保有している、近々保有現物株を売るつもりがない、持ち合いなどの条件で売ることのできない等の理由でヘッジは利用されます。

ただ、持っている株と日経平均株価が必ず連動する訳ではないので、日経225採用銘柄の中でも株価指数に連動しやすい現物株を保有している時に有効であるといえます。

システムトレードとは?

システムトレードとは何?

システムトレード(システム売買、機械的売買)とは、トレードルールがあらかじめコンピュータ等に組み込まれていて、そのルールに忠実に従って売買を行うことです。

これを利用することのメリットは、人間ならではの欠点(欲張って利益確定のタイミングを逃した、損切りできずに結局大底で売ってしまった等)を無くしてくれることです。

また、一般の売買では、その売買のつど各指標などを分析・検討したり、過去の投資経験などにより売買の判定を下すことが一般的であるのに対し、システム売買の場合はこれらの判断はすべてシステムの売買サインの指示に従い実践するわけですから、価格の検証などは一切必要なくなることになります。

そもそもそんなシステム持ってないんだけど・・・

売買システムは、エクセルで自分で作成したり、いろんなところで「有料」で販売されています。
一番良い方法は「証券会社のツールを使う」これにつきます。
ある程度知識があれば、書籍などを参考にして自作するのもいいかもしれませんね。

システムトレードのルール

売買ルール

1. 仕掛けルール

いつ・いくらで買う(あるいは売る)のかを決める。

2. 手仕舞いルール

いつ・いくらで売る(あるいは買い戻す)のかを決める。

3. 建玉ルール

どれくらい投資するのかを決める。

つまり、売買モデルとは、売買ルールの集合体で、これらの売買ルールを組み合わせることにより、売買モデルが構築されます。
売買ルールは時間帯や曜日、季節要因といった時間軸からのアプローチや、出来高などの需給面からのアプローチ、テクニカル分析からのアプローチなど、様々な視点から導きます。

システムトレードをする理由

実際の取引の場では、「どんどん儲けたい」という欲望と、「もし損したらどうしよう」という恐怖という、相反する感情のコントロールを強いられます。
自分のお金をつぎ込んでいることで、日常生活ではあまり受けにくい精神的な緊張が特に生じやすくなり、普段にも増して心理的なクセの影響を受けやすくなってしまうのです。
この心理的なクセの存在を排除する、または、その影響を和らげることが、日経225先物取引で儲けるための必須条件と言っても過言ではありません。

この当たり前すぎる発送から生まれたのがシステムトレードなのです。
システムトレードなら、心理的なクセを排除し、冷静かつ確率的な投資判断を行うことによって、安定的な収益獲得が可能となります。

システムトレードのメリットとデメリット

システムトレードのメリット

感情に左右されない取引ができる

売買モデルが算出するスグナルに従って売買する「システムトレード」であれば、一時の感情による非合理な投資行動をなくすことができ、損するケースを少なくできます。

リスクやリターンが予測できる

システムトレードの売買モデルがどれくらい有効なのかを、過去の株価データなどであらかじめ検証する作業(バックテストという)を通じて、どれくらい儲かりやすいか、どれくらい損しそうなのかを具体的な数値として示すことができます。

システムトレードのデメリット

システムがうまく機能しない場合がある

システムトレードは「売買ルールの組み合わせである売買モデルが発する売買シグナルに従って、機械的かつ継続的に売買を繰り返す手法」です。
この売買モデルがうまく機能するかどうかを過去データを用いて検証すること(バックテスト)が重要になるのですが、どんなにバックテストを行ったとしても、そこで検証できるのは「過去データでどれくらいうまくいったか」です。

これからの相場状況に本当に適合するかどうかは、当然ですがわかりません。
環境の変化によって全然利益が出ないことだってあり得ます。
時には全面的な改良を施すなどの思い切った対策をとらなくてはいけなくなるかもしれません。

継続して使わないと意味がない

これも重要なことですが、使っていくうちに売買モデルが時代遅れになってしまうこともあり得ます。

その場合の対応も感情的に判断するのではなく、運用の開始前に例えば「収益の落ち込みがこれくらいになったら運用を停止しよう」といった客観的な基準を設定しておくことが大切です。

システムトレードの注意点

システムトレードにおいて「オーバーフィッティング」は、とても重要になります。

これは、バックテストの結果がよくなるように売買モデルを調整しすぎることをいいます。

バックテストの内容を引き上げようとして、過去に大きな損失が生じた負けトレードが発生しないようにロスカット基準を甘くしてしまったり、条件を追加したりすることに傾注しすぎると、バックテストの結果そのものは良くなりますが、肝心な将来の投資収益が得られなくなるケースが少なくありません。